きのうみた夢どんな夢

君と夏の夜の街

きのこ帝国というバンドの、猫とアレルギーというアルバムを、最近よく聴いてる。

本当はよく聴いてる、というものじゃなく狂ったようにこればかり聴いてる。

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しょっちゅうじゃないにしてもこういうことはたまにあって、単に良い作品を気に入っているというだけじゃなく、自分の気分の問題なんだと思う。不足していたものを埋めているような気がしてしまってる。

 

そんなふうに好きなものに寄り縋って生きるみたいなのが10代の頃は本当にひどくて、いい加減そろそろやめたいのに全然やめられない。まじでやめたい。どうしよう、このまま年取って「このバンドが今のわたしの酸素みたいなもの」「イヤホンが命綱」とか言ってる46歳会社員女性とかになったら。さすがにそこまでは当時も今も言ってませんが…

 

好きすぎてつらい、というものがたくさんあるおかげでつらさが相殺されてバランスが取れてる。

 

このアルバムも数年経って聴いたときに、今の生活とかよく考えていたことが色濃くフラッシュバックするんだろうな。

 

 

 ***

 

宮下奈都さんという人の小説が好きで4冊目を読んでる。

とても想像の及ばないような素晴らしい世界を作り出しているんだけど、それはそうと自分の書く文章と似ててずっとビビってる。こういうSNSの文章じゃなくて、もうちょっと真面目な、でも好きに自由に書いたときのやつ。確かに私もそこに句読点打つな、分かる。とか。

 

他の人はどうか分からないから、もしかしたらこの人の文章は誰でもそう感じやすいのかもしれないけど。

ただWikipediaによると、宮下さんは幼い頃に読んだ本でだれも知らない小さな国」が特に好きだったそうで、もしそれの共通する影響があるとしたらすごくいいなと思う

私が小学生の頃に青い鳥文庫で読んだ「だれも知らない小さな国」シリーズ。何回読んだか分からない。

『二十年近い前のことだから、もうむかしといっていいかもしれない。ぼくはまだ小学校の三年生だった。』

シリーズ一作目はこの書き出しで始まった。

そんな書き出しの児童書は他になかったから、それだけでも自分の知らない世界を想像させてくれる大好きな本だったな。それを読んでから本当に二十年が経ってしまった。

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間違ってネットショッピングを実家に配送してしまった自分ナイス。

おかげで帰ってちょっと読み返せた。

 

 

宮下さんの「スコーレ」という作品の主人公が、自分には心から愛せるものがないと嘆くんだけど、そんなのつらすぎるよね。

私は自分の好きなもののことが本当にめちゃくちゃ好きだなって思う。

これが好き、これが欲しいと、本気で迷わず思えるのは幸運なことだと思う。

そういうのが本当に自分の希望や原動力になってくれるには、「自分なんて」みたいな気持ちがあったらできないんじゃないだろうか。ラブマイセルフ。